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silent
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     続きでございます
    ああ、中途半端…
    silent


    戦闘があったのはすぐにわかった。
    セシルが向かった方面だ。
    いてもたってもいられず、ゴルベーザはそちらへ向かった。
    皇帝の気配だったし。
    何か嫌な予感もしていたし。
    金色の何かが倒れていた。
    皇帝だ。
    「お前の妹は一筋縄ではいかんなあ…だが追い打ちをかけるなら今だな」
    「黙れ!」
    追い打ちをかけてやる。
    いつもの悲鳴を上げて消えた。
    「どこだ…気配が…見つけられん…弱っているのか…」
    あたりを探す。
    「セシル…」
    やはり弱っていたのだろう。
    ゴルベーザの背中を嫌な汗が流れていく。

    「うはあ…落ちたなあ」
    身体が動かない。
    強かに打ち付けた体は熱も相まってかなりダメージを受けてしまった。
    「でも、気持ちいいなあ」
    叩きつけられた地面は冷たくて気持ちがいい。
    動くとぬめるのは自分の血のせいだろう。
    痛いし辛い
    それは生きている証拠だと毎回戦地で思っていたこと
    でも今回は違う
    (疲れた…もうこのまま眠ってしまってもいいかな)
    調和のために光と闇がいるのであれば、自分がいなくなればカオス側の兄は解放されるのではないかと思った。
    どんどん意識が飲まれていく。
    前はカインが自分を見つけてくれた。
    でもここにはカインはいない。
    肺もかなり血がたまっている
    (吐いたら大惨事だよなあ)
    飲み下すにしても、胃も血が逆流しているからいっぱいだろうし。
    (女は痛みに強いって本当だよなあ…ほとほと頑丈にできているのかな)
    大きな影が自分を覆ったのに気が付く。
    (頭打ってるからなあ…見えなくなってきた…大きいな…兄さんは来ないだろうから…とどめ入れに誰か来たのかな)
    覚悟は戦地に出るたびに必ず決める。
    だから
    (もう一度だけ兄さんに会いたかったなあ)
    「にいさん…あ…たい…な」
    はっきりは言えなかったがもう十分だった。

    転移の魔法を唱え、館へと入る。
    予断を許さない状況だった。
    鎧を脱がせると治癒装置に入れる。
    怪我だけでもふさがればだいぶ違うだろう。
    脱がせた鎧は血まみれだった。
    自分が抱き込んでいた部分も彼女の血まみれで、出血量の多さを窺わせる。
    顔色が悪い。
    傷をふさぐことはできるが、体力は無理だ。
    すぐに治るような状況でもない。
    鎧を脱ぎ、セシルの眠っている近くに腰掛ける。
    「セシル…セシル」
    確かに彼女は兄さんに会いたいなといった。
    呼びかける
    心を込めて呼びかけ続ける。
    聞こえているのか不安だ。
    たぶん先ほどの反応から、見えていなかった。
    聞こえているのかも心配なのだ。
    どのくらい時間が経ったのか、何とか傷はふさがったようだ。
    「せめて私が治癒の術を持っていれば」
    セシルは持っていても自分のためには使わないのは、知っている。
    大きなベッドへと体を移動させ、冷えないように上掛けをする。
    手を握ってさする。
    大量に出血したせいで下がっていた体温が急激に上がってきた。
    「生きてくれ…頼む…生きてほしいのだ」
    その手にキスをする。
    指先まですべてに愛をこめて。
    綺麗な顔をしている。
    敵として出会い、聖騎士になった姿を見て、敵ながら美しいと思った。
    底知れぬ意思の強さを感じさせる、まっすぐな瞳が綺麗だと思った。
    たった一人の妹
    捨ててしまった妹
    離れても辛いと感じていた矢先の召喚。
    「すまぬ…もっとお前を甘やかしてやりたい…護りたいのだ…だが私にはうまくお前を護る方法がわからない…そばにいて…愛したい」
    懺悔
    ただ祈るしかできない
    どのくらいの時間が経ったのか、ゴルベーザにもわからなかった。
    ただ手を握り鼓動を感じるしかできなかった。
    「にい」
    「起きたか…セシル!苦しくないか?」
    「…?……生きてる…?」
    「当たり前だ!」
    「そか……また…死に…損ねた…」
    「ばっ…馬鹿なことを言うな!!死なすものか!!お前だけは何がなくなるとも死なすものか!!」
    「……兄さん…大丈夫だよ……今まで死んでないから」
    「お前は自分を大切にしろ!!」
    「怒鳴られてばかりだね……ごめん…熱が下がったら…でていくか」
    「どこにもいかせぬ…お前は私が護るのだ」
    「…ふふ……嘘でも…嬉しい…」
    「お前の息が止まったら一緒に逝くから……一人にはせぬ」
    「……」
    綺麗なアメジストがゴルベーザを見る。
    水分を含んで美しく揺れる。
    「大丈夫…一人は慣れてるから」
    「…セシル」
    そういうとセシルはまた意識をなくす。
    ゴルベーザは一振りの剣を自分の首に向けて持っていた。
    そして優しく頬を撫で
    「お前の息が止まったら、私もともにゆこう…二度とお前を一人にしないと誓う…だから、二度とそんな寂しいことを言わないでくれ」
    くだらない虚勢をはって、半身を持っていかれるのは嫌だ。
    たった一人の妹を救うためならなんでもする。
    甘えることができない彼女をまずは甘えさせることからはじめよう。
    「愛している…永遠に…月に誓って」
    セシルを絡め取ろうとする闇にも渡さない。
    ただ自分のためだけに生きさせる。

    静かな部屋に、落ち着いたセシルの寝息が聞こえる。
    ゴルベーザは彼女に愛を囁き続ける。

    二人だけの静かな世界で、月だけが知っている誓い。


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    落ち脱走中
    帰ってきて落ち!!


    怪我だらけでもなかなか客観的にものが見れるセシルとか
    のど元に剣突き立ててる兄さんが書きたかったと
    一途だね

    妹さん兄さんラブラブですが、まだ恋愛としてなのか不明
    両想いですがね
    兄さんはとりあえずシスコンまっしぐら〜
    っていうか文字数が限られていたのでかなりいろいろ端折ってたなあと









    | 神谷香月 | ★DDFF(ゴルセシ) | - | trackbacks(0) | - | - |
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