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silent3
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    どちらかと言えば兄さん幸せな話
    続いています、4段目です。

    ゴル兄さんに振り回されている妹さん(笑)
    まあらぶらぶな二人にしたいんですが、妹さんいろいろ抱えすぎ
    どっちも早く幸せにしたいなあ

    ではでは

    silent3



    「ほら、ミルクだ」
    「ありがとう、兄さん」
    動けない状態でここにきて何日目なのか。
    時間の感覚がないので何とも言い難いけれど。
    ゴルベーザは相変わらず椅子に座って自分を眺めていたり、ものすごい量の本を読みふけっている。
    懐かしいような、月の民の館。
    「不思議空間…」
    「ああ、そうだな…思ったものが形になったらしい…DNAに刻まれているのか、ここは落ち着くな」
    「そうだね」
    高級マンション並みの広さ。
    しかも台所まであるというこの状況。
    「だからベッドひとつなの」
    一人で寝泊まりするなら一つで充分だろう。
    セシルなら三人は寝られるような広いベッドなら、兄も十分に転がれる広さだろう。
    「あ…ごめん、兄さんベッド占領しちゃってるね」
    気が付けば、兄が椅子に座って転寝してても、ソファで寝ていても仕方がない。
    自分が唯一の寝床を占領しているのだ。
    「あの、僕動けるからソファーに動くから」
    のうのうとこんなベッドで寝てるなど、言語道断だ。
    「…動けるのか」
    「多少は…」
    「ふむ」
    しばらくゴルベーザは何かを考えて、頷いた。
    おもむろに上着を脱ぐと、上掛けをめくる。
    「ふえ?」
    大きな身体がもぐりこんできた。
    そしてセシルを抱きしめてきた。
    セシル再度過負荷。
    熱がものすごい勢いで上がってきた。
    「ににににに、にいさああ?」
    「なんだ…お前は本当にこういうものに弱いな」
    顔を覗き込まれて目が回る。
    (近いよ!!近すぎる〜)
    「ふむ」
    両手で頬をくるんで真正面を向かせる。
    セシルは真っ赤になって本当に困って涙目になっている。
    兄さんとしては妹の愛らしい顔を存分に見ていたいらしい。
    白い肌、長い睫、宝石のような瞳…どれをとっても愛らしい。
    こんなきれいな生き物は見たことがない。
    「お前はきれいだな」
    「な、何をいってるのおお」
    セシルは大慌てで逃げようとするが、いかんせんやはり身体はうまく動かず。
    セシルだってこんな整った顔の異性にこんな接近されて見られるのは落ち着かない。
    体格からしても倍くらいの大きさなのだ、体をよじったところで逃げられない。
    「お前は照れ屋だな」
    「そういう問題でもないよ…」
    仕方がなく頬から手を放して力強く抱きしめるとおとなしくなる。
    しばらくそのままでいて
    そして気になったことを再度口にする。
    「お前は慣れていないのか?」
    「え?」
    「こういう風に人と触れ合うことが」
    その質問に、ちょっと困って、いったん口を閉じて、でも真剣に自分を見ている兄の視線に渋々と口を開いた。
    「…慣れてない…むしろちょっと苦手」
    「苦手?」
    処女だったのは置いておくが、それにしてもここまで苦手とは。
    そういう嫌悪症でもあるのか?
    確かに接触嫌悪症みたいな症状は巷にはあると聞くが。
    しばらく沈黙が続く。
    セシルはぽつりとまた口を開く。
    「僕はあんまり人と遊んだりしてないから…容姿がこれで魔物とかと話ができたりして…特異だから…もし誰かと一緒にいて何か違うことがあったら怖くてさ」
    「…セシル」
    人から距離を置かれ、自分でも距離をおく幼い妹。
    楽しそうにしている同じ年齢の子供たちに背を向け、楽しそうな声を聞き流す。
    「髪の色も、肌の色も、瞳の色も全く違うんだからさ…人と違って何かを言われるのが怖かったんだ」
    人形のような顔を悲しみに曇らせて。
    「…馬鹿なことを」
    「うん」
    「お前はこの世界で一番美しい…私の宝物だ」
    「兄さん…恥ずかしいから…」
    セシルがゴルベーザの腕の中でもぞもぞ動いた。
    逃がすつもりはないと言わんばかりに、その身体をさらに抱き込む。
    「僕体温が人より低いでしょ…小さい頃お化けって言われた」
    「…なんだと??」
    「ふふ…本当に小さい子供ってさ、思った事をすぐに口に出すでしょ?僕も小さかったから、結構ぐっさりと来ちゃったんだよね…馬鹿みたいに部屋に戻って泣いちゃって…でも、ほら、大声で泣くわけにもいかなくてさ…へへ…気にしなきゃいいのに…」
    ふと思う。
    見ることはかなわなかった小さなセシル。
    誰かに言うこともできずに、一人で部屋で泣いている。
    言われもない中傷に傷ついても頼る相手もいない。
    そんな切ない場面が描き出される。
    何もかも幼い妹のせいにして投げ出した自分が偉そうなことは言えないけれど、それでも…
    「子供なのだから泣いて当り前だろう…幼い自分にまでそんな言葉を投げるものではない」
    「…自分がなんなのか怖かったんだよ…あれ以上いじめらるのも怖かった…でも、食って掛かるほど勇気もなくて、我慢するので精一杯だったんだよ、本当に勇気がないというか…なんというか」
    「それはお前の強さだ」
    「え?」
    「人を傷つけるのは簡単だ…だがお前は拳を上げることはなかったのだろう」
    「女の子だから、一応」
    そんなことはないだろう。
    気性が荒い子供であれば、男女問わずに大喧嘩をしていただろう。
    セシルは、いつも何かを遠慮し続けていたのか。
    「私も幼すぎた…何もかもお前のせいにして逃げたところで、何も解決はしなかったものを…お前が一番愛らしい時間を全て捨ててしまったのだから」
    「兄さん…」
    きっとそれは自分への罰だ。
    自分はその年齢の時は両親の愛をいっぱいに受けていた。
    セシルはどちらかと言えば人から愛されてしまう人物だ。
    だけど、大人が愛らしくてしょうがないというタイプの子供は、概ね子供にはじかれてしまう。
    典型だったのだろう。
    「いや、今も愛らしいのは変わらないな」
    「…やめてよ…もう…」
    「私がお前を大切にする…こうやって抱きしめていればお前はいつか慣れるだろう」
    「うう…慣れるのかな」
    「お前と私は同じ鼓動を打っている…お前は私よりも暖かい…心地よい体温だ」
    「兄さん」
    セシルは観念して瞳を閉じて、兄の胸元に頭を預ける。
    確かな心臓の音が心地よかった。
    初めて人に触れられて、安心できた。
    「すごいや」
    「うん?」
    「兄さん…あったかい…」
    「そうか…お前の体温が移ったのか…温めあっているからかもしれんな」
    「…うん」
    「!!」

    蕾が綻んだ。
    なんという美しさか
    私の言葉にお前がこんな美しい笑顔を見せてくれるとは思わなかった。
    再度優しく額にキスをすると、逃げずに瞳を閉じてくれた。

    セシルはまた深く眠りにつく
    ゴルベーザはその身体を抱きしめて、愛を囁く。

    「愛している…私のセシル…いいのだ…一つ一つ私に教えておくれ…私がお前のつらいものをすべて否定してやるから…私だけは永遠にお前の味方なのだから」

    *-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
    いちゃつく兄さん
    リア充か…爆発は駄目だ
    ちょっとずつ甘えていく妹が書きたかっただけなんだ…
    兄さんがんばれ!
    一線超える日は近い…かなあああ?














    | 神谷香月 | ★DDFF(ゴルセシ) | - | trackbacks(0) | - | - |
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